oons0531のブログ

タバコ一本あればいい。

玉に瑕の話

皆さんこんばんは。お久しぶりです。

 

最近この人生初めての大きな失敗をしました。失敗、というよりも自業自得です。例えるならばなんとなくで買った賞味期限ギリギリの牛乳を冷蔵庫に入れたまま放置して数ヶ月が経ち、魔が差して作った別の料理も冷蔵庫に入れていたら突然家に母親が押しかけてきてその混沌に満ちた冷蔵庫を見て絶句した、といった感じでしょうか。例えがうまくない?ええそうでしょうね、こんな例えではどうしようも無い失敗でしたからねぇ。

 

さて、そんな大きな失敗を犯した私は、コロナのおかげで持て余した本来の大学生としての時間を使ってさまざまなことを考えました。さてこれからどうするか。いっそ死ぬしかないのではないか?なにせ人生で初めての出来事ですから、自分では何も考えがまとまりません。ましてや一日中足の踏み場のないような部屋に住んでいては浮かぶ答えもろくなものではありません。それでもなんとかして出した結論は中身スカスカ、中学生の弟にも鼻で笑われるようなものでした。

 

そうして何もかもまだ解決せず、人生というジャンプ台からバンジーし、足枷から延びたゴム紐の伸縮もまだ落ち着かぬところにある作品に出会いました。

 

SHIROBAKO」ってご存知ですか。

放送自体は6年前のものです。名作と噂に聞きつつも、恥ずかしながら原作未読かつ今日この日まで引っ張ってしまいました。

SHIROBAKO」つまり「白箱」というのは映像業界における作品のスタッフ確認用として手渡されるビデオテープの事です。この作品では、主人公たち5人がそれぞれ高校を卒業した後、部活でアニメを作ったことをきっかけに就いたそれぞれの職業での苦闘と困難、またそれにめげず立ち向かう姿が描かれています。

 

詳しい内容のあらすじはネタバレになるかと思いますので避けますが、アニメ業界の一端を知ることができる作品なのではないでしょうか。その中でも私の琴線に触れた箇所をいくつかさらっと紹介します。

 

5人はそれぞれ、高校時代での経験を経て現在の仕事に至る経緯も心情表現にて描かれています。新人の頃から周囲の人間のトラブルに巻き込まれてしまう者、周囲からの評価と自己評価の違いに気づかず自信のなかった者、自分のやりたいことができずに燻る者、苦しい環境にありながらも芽を出そうと必死になる者、夢のために勉強を続ける者。テーマとして「お仕事系アニメ」「ワーキングウーマン」「青春モノ」の匂いがプンプンする外見から、彼女たちが苦悩し、そしてその壁に周囲の力を借りつつも立ち向かい、1つの「作品」の完成に向けてひたすら奮闘する姿はそういった薄っぺらいラベルをひっぺがして吹き飛ばすエネルギーすら感じるものでした。オジサン、デブ、アラサー、バツイチなど、負の側面にすらなりうる要素を持った者でさえ輝きカッコよく描き、当たり前ですが「普通の人」の「良い仕事」を見せてくれます。ストーリーにも主人公の経験値と同期した伏線が用意され、展開ごとに心情を思いつつも視聴者に涙を浮かべさせ、ラストは誰もが納得し諸手を打つ、そんな作品でした。

 

 

 

話を戻すと、私は今、自分で掘った穴の中にいるのです。いわゆる「墓穴」でしょう。まっすぐ前に向かう道の途中に、大きな穴を掘り、そして落ちてしまったのです。穴の中にいる人間には、どちらが来た道で、どちらが行く道なのかは分かりません。穴の中は暗く、目指すべき光は遠く彼方に微かに見えるのみです。しゃがみ込んでこのまま朽ちるまで待とうとしたところ、穴から這い出ようとする山椒魚を見たわけです。幸い山椒魚ほど肥え太っていなかった私はなんとかその壁をよじ登り穴から出ることができました。

 

さてここからは未来の話。私が来た道に退行するのか、行くべきだった道に踏み出すことができるのか、はたまた全く違う方角の道を切り開くのか。それはまだ私にも分かりません。ですが、また前に進めれば私の「傷」は「瑕」になるでしょう。というか、そうなることを願って前に進むつもりです。

 

では最後に、思ったよりも小さくまとまったのでお気に入りの曲から歌詞をお借りして締めくくらせていただきます。

 

「ほんの少しくらいのキズは 君を強くする魔法」 

ハヤシケイ/キズ